更新日:2026.6.24
それでは後編です。前編はこちら↓
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4 それでも退職を考えるなら
⑴ 健康面に不安がないか
まずは現時点で療養中など健康面に不安があるなら、公務員を退職せずに病気休暇などの制度を最大限利用して療養に専念してください。職場に遠慮することはありません。公務員の恵まれた福利厚生を有効活用しましょう。
ただその場合、職場に穴を開ける訳ですから表面上だけでも迷惑を掛けてしまっているという姿勢を見せることは必要だと思います。
私も公務員現役時代は一部の病休を繰り返すメンタル疾患系の職員を支える大勢の職員の中の一人でしたので正直思うところは多々ありますが、自分の人生は自分が主役ですので他人を意識し過ぎず利用できるものは利用すべきです。
当然、突発的なけがや病気による一時的な病休者は持ちつ持たれつなので仕方ないとは思います。私も過去に2週間、ちょっとした手術のために入院して病休を取ったこともあります。
逆に、公務員を続けることが原因で症状が悪化する、近い将来体調を崩す可能性が高いと判断されるなら話は別です。自分が健康になる方向で対策を考える必要があります。
健康でなければ人生を楽しむことはできません。自分を守れるのは自分しかいません。そして、自分で自分を守ることができて初めて大切な人を守ることができます。
職場は自分のことを一生面倒みてくれる訳ではありません。割り切りましょう。
⑵ 自分が一番大事
負の感情に支配されず、キャッシュフロー表を基に有料でファイナンシャル・プランナーに相談し、配偶者の理解が得られ、現状把握と将来への確かな計画を立て、現時点で健康面に不安がないなら、本腰を入れて退職について考えていきます。
まずは、退職金と当面の生活資金や教育資金、ある程度の老後資金以外で2年位は無職でも生活できる余裕資産があることは最低条件です。仮に、退職直後の転職に失敗しても、2年間あればある程度妥協しながらでも必死になって新たな収入源を見つけることでしょう。
間違っても子どもの教育資金を食いつぶしてしまうことはないようにしたいものです。
そして、本当に退職することが選択肢として一番いい方法なのか。自分にとって何が一番大事なのかを軸に考えます。まずは自分第一。そして家族への影響の程度を考慮します。
私はハローワークでの求人申込時に窓口の職員さんに短時間ですが再就職について相談したり、民間企業が地域貢献のため行っている職業紹介所にも行って、公務員を退職することや民間の求人状況の現状なども聞いて参考にしました。
この様に、ファイナンシャル・プランナー以外の利害関係のない第三者に相談することも有効です。
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⑶ 退職のきっかけは気にしない
少しでも退職のことを考えるということは現状に違和感や不満があるからだと思います。それが退職しないで解決できれば一番いいかも知れませんが、そう簡単ではないのが現実ではないでしょうか。
何かをするために退職したいのか。退職することが目的なのか。
やりたいことがあって退職するのは目標が明確で自分も周囲も納得しやすいです。そのやりたいことが無謀なのか、生活していけるのか、成功しなかった場合にどう行動するかを考えていけばいいので前向きな退職と言えるでしょう。
私の場合はそうではなかったので悩みました。罪悪感や無力感に襲われました。
仕事に忙殺されて嫌気がさしたこと、このままではメンタル的に危険があると感じたこと、家族と過ごす時間が取りにくくなったこと、各部署の上司の仕事をする姿を見ても明るい未来は見えなかったこと、もともと業務内容に興味がなかったこと、ある程度の資産があったこと、50代の先輩職員が亡くなり寿命や健康寿命を考えたことなど複数の要因があって退職を考えてしまいました。
基本的に後ろ向きな選択です。自分にも周囲にも胸を張って主張できません。ただ、退職後のことを考えると仕事で押し潰されていたやりたいことが次々と膨らんでいきました。正直、後ろ向きの選択を正当化するためだったのかも知れませんし、そう言われても否定はしません。
それでも私は後ろ向きな退職が悪で、前向きな退職が善だとは思いません。事実としてあるのは退職したという行為だけだからです。そこに深い意義や正当化が必要なのでしょうか。
⑷ 転職先(健康保険と厚生年金への加入)
多くの方は、公務員退職後も何かしら労働収入が必要になってくるものと思われます。転職先が正社員なのか、パート・アルバイトなのかで転職の難易度は相当変わるでしょう。
① 正社員の場合
まず、基本的に年収は大きく下がる可能性が極めて高いです。もし上がるのであれば公務員時代よりも忙しくなるのではないでしょうか。
30代前半までの方はストレスフルで長時間労働になったとしても、どうしてもやりたい仕事があると言うのであれば、正社員を考えてもいいかも知れません。恐らくそれより上の年齢であれば正社員での就職自体が難しくなってくるのではないでしょうか。
ただ私は、正社員を目指した転職活動を全くしなかったので、これ以上は何も言えません。
② パート・アルバイトの場合
正社員での転職よりも、ハードルは相当下がります。
何を重視して就職先を決めるのか。労働時間、労働日数、賃金、仕事内容、責任の度合い、通勤時間など。
私は手取り15万円前後で、土日祝休み、残業なし、健康保険と厚生年金に加入できて、ある程度は公務員の経験を活かしやすく、責任の軽い立場になれるストレスの少ない職場を探しました。
職種にこだわりはなかったのですが、採用された際にどういう人が同僚になるかは考えました。
体力勝負の職場は他の労働者の質が荒々しい可能性が高く、元公務員であれば職場の雰囲気に馴染めないでしょう。最悪、身体を痛めたり、人間関係のために早期退職することになるかも知れません。
どういう環境下で働くかは、仕事内容以上に重要です。業種として、ある程度は頭を使う仕事の方がパート・アルバイトとは言え、それなりの人が採用されているでしょうし、公務員として事務仕事をしてきた経験が十分生かせると思います。
また、当然ながらパート・アルバイトは正社員ではないため立場的に弱いですし、年下の正社員に使われることにもなります。それだけでなく、先輩パート・アルバイト社員からもアドバイスを貰うことになるでしょう。職場で自分が一番下であり、言われたことを素直に受け入れる態度や周りを立てる意識を持つ必要があります。それが面白くない方は辛いかも知れませんね。
私は10代の新入社員さんにも必要以上にペコペコしてますし、先輩パート社員はベテランが多く、実際仕事でかなり助けてもらっているので、新人として立場をわきまえて行動しています。
一方で、すこしずるい考えも持っています。
職場は私を都合よく使っているのでしょうが、私も職場を都合よく使わせてもらってます。圧倒的に立場が弱いのはこちら側なのは間違いないものの、今の職場にすがりつく必要はありません。これはある程度の資産があるから言えることです。
やはり資産は人生の自由度を高めてくれます。
所詮はパートなので、難しいことは正社員に聞いたり、振ったりして、次の日に仕事を持ち越すことはありません。忙しいのも所定労働時間内だけに限定されるので、職場を出れば仕事のことは一切考えなくてすみます。重要なことや難しいことは給料の高い正社員がやればいいのです。私も公務員時代はパートさんのフォローをしていました。当然のことです。
今の職場を選んだのは、とりあえず1年間は会社の健康保険に加入するのが最大の目的だったと言っても過言ではありません。公務員退職直後に国民健康保険へ加入するのだけは絶対に避けたいところです。
国民健康保険の保険料は前年(1月〜12月)の所得に応じて決まり、本人が100%保険料を負担するため、公務員時代の高い所得で計算された保険料は恐らく高額になるはずです。
転職先が短時間就労のため会社の健康保険に加入できない場合や、しばらく無職でいる場合は、公務員時代に加入していた共済組合の任意継続組合員を選択するのがベストかと思われます。
正確な保険料は、共済組合とお住まいの市町村のそれぞれに確認してみてください。
私の場合は2025年3月までは公務員として割と高額な給料をもらい、4月からパートになりガクンと給料が下がりました。少なくとも2025年度は会社の健康保険に加入して保険料を押さえられさえすれば、仮に2026年度に無職になって国民健康保険に加入したとしても2025年の低い給料を基準に保険料が算出されるはずで、更に2027年度になれば公務員時代の給料は算定基準から外れるため、さらにもう一段保険料は下がるでしょう。
よって、退職後1年間は会社の健康保険に加入できる職場に就職し、2年目以降から国民健康保険しか入れない労働時間が短いところへ転職するという2段階での転職を考えるのも一つの方法です。
もちろん、最初から短時間就労にして共済組合の任意継続組合員を選択する方法もあります。
その他にも、厚生年金に加入できるかも重要です。可能な限り厚生年金にも加入して年金額を積み上げていきたいところです。
正直、今のパートの仕事も別に好きではありません。ある程度経験が活かせるので、新たに覚えることが少なくてすむことと、拘束時間が短く、責任が少ないので、割り切って働いています。今の職場は条件が良いので少しだけ給料以上の成果を出して、最低でもあと4年くらいは雇い続けてもらえるよう一生懸命働いています。
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⑸ 早期退職募集制度における退職金割り増し
早期退職で退職金が割り増しになる制度はありますが、50代前半では認定される可能性は低いです。私も応募しましたが、案の定、不認定となりました。
募集要項では50歳から応募できるものの、年齢が上の方から優先して認定となるため、50代前半まで募集枠が残る可能性は低いでしょう。
ただ、一度応募して不認定となった場合、次回の募集時に応募すれば優先度が上がるようですので、認定されるまで応募し続ける方法もありますが、自分が応募していることは人事課や所属長には知られるので、仕事を続けにくく感じる部分も出てくるでしょう。ただ、ここでも割り切りは必要で職場に気を使い過ぎなくてもいいとは思います。
重要なのは、退職したいのか、割り増しの退職金が欲しいのか、どちらなのか。単純な金額だけに引っぱられることなく、目的が何かを明確にすれば答えは出るはずです。
なお、退職するのであれば認定される確率が低かったとしても申し込むべき制度ではあります。
5 退職願いの提出後
⑴ 円満退職
退職すること自体に職場へ気を使う必要はありません。リスクを負っているのは自分です。冷めた言い方になりますが所詮は仕事上の関係ですし、自分一人がいなくなっても組織には何も影響はありません。
ただ、社会人として最低限は仕事を片付けて、引き継ぎ書を作り、円満に職場を去る努力は必要です。
私は年度末に1日半有休を取っただけで、それまでは出勤して、引き継ぎ書も残しました。それでも「飛ぶ鳥跡を濁さず」は実践できず力不足で多くの仕事を残してしまいました。
自己満足でしょうが、有休消化で2月中旬から年度末まで休むこともできたものの、ほとんどの有休を捨てて仕事をすることで自分なりに職場に対して誠意を表したつもりです。
⑵ 退職挨拶ハガキ作成
退職後も新生活で忙しいので、3月中には退職挨拶のハガキは作っていました。3月末に退職し、4月中旬に全道の職場へ発送しました。
人事異動の内示で退職が公表された後も、特にこちらからお世話になった方々へ個別に連絡はしませんでした。一瞬考えましたが、挨拶する人をどの範囲まで広げるか、線引きが難しかったためです。
ただ、仲の良い同期には内示発表前にメールはしました。
⑶ あとは粛々と
総務部署などから退職に関する多くの手続きが求められますので粛々とこなします。
就職活動も並行するのであれば、それなりに忙しいですが、気が張っていたのか、公務員を退職する開放感があったためか、疲労感はありませんでした。
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6 退職後
最終出勤日は午前中まで仕事をして午後から有休を取得しました。ありがたいことに職場から餞別をいただき、挨拶をすませて職場を出ました。その時の空はいつも以上に澄んで見えました。
あの開放感は一生味わえないと思います。あまり意味を感じられなかった公務員時代の仕事の数々から離れられることの喜びでいっぱいでした。人間関係には本当に恵まれていたので今までやってこられましたが、これ以上はなかなか難しかったと思います。
当然、怖さもありました。それでも4月からの職場も決まっていたこともあり、新しい人生に向けてエネルギーが満ちていくのを感じました。
退職後の気持ちについては「退職後○か月経過」という記事を書いていますので、そちらもどうぞ。
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7 まとめ
ここまで読んでいただいた方なら自分で冷静に判断できると思うので、どんな選択をしても大きな失敗や後悔をすることは少ないのではないかとは思います。
客観的な視点で作った計画を随時修正しながら進めていけば問題はないと思われます。
株式投資等での資産形成を続けること、資産運用に関しては50代以降で、ある程度資産が積み上がっている場合は高配当の投資信託やETFにも投資をして分配金等を得て日々の生活費の足しにすることができれば、安全な退職に繋がるはずです。
高収入や安定への依存度が高くなければ公務員を早期退職すること自体に大きな問題はないのかも知れません。
最終的には結果は誰にも分かりません。考え抜いて、家族の理解が得られたのであればどんな結果でも納得できるのではないでしょうか。
健康寿命を考えれば人生は自分が思っている以上に短いことに気がつくと思います。やりたいことがいつまでもできるとは限りません。私はお金より健康や時間を重視してセミリタイアする道を選び、公務員を早期退職して一年が過ぎようとしています。新しい環境への対応に多少のストレスはありましたが、後悔していません。
今年度の収支を精査し、キャッシュフロー表を修正して精度を高めて今後の生活設計を見直し、自分が思う自分らしい自分の実現のため、家族を守り、家族に守られながら、生きていこうと思います。
わがままでしょうけど、好きなことでなければ頑張れないなぁ、と言うのが正直な感想です。
それでも24年間は公務員を続けたので、多少は頑張ったかなとも思います。それなりに努力もしました。別の省庁に採用されていれば定年まで働いていたかも知れないなぁと思うこともありますが、逆にもっと早く退職していた可能性もある訳で、24年間勤めた職場で公務員として働けたのは凡人の私にとっては本当に運が良かったと思います。
収入面、福利厚生面だけでなく、社会人として多くの経験をさせてもらい、公務員の道を選んだことは大正解でした。
また、貧乏性だったため自然と預貯金が増えて投資資金が溜まり、株式等への投資を始めるきっかけになり、資産形成が進んだことも退職を可能とした大きな要因だったと思います。
最終的には公務員を続ける理由があるのか、ないのか。
ビル・パーキンス著の大ベストセラー「DIE WITH ZERO」で書かれていた、「ある程度の資産がある前提で、健康>時間>お金」を軸に考えることが人生を豊かなものにできると思います。
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とにかく少しでも動いてみる。試してみる。そして、その結果から更に考えを深める。
仕事に人生を奪われ過ぎることのないような、笑顔が消えることがないような選択をすれば後悔する確率は減るのではないかと思います。
少しでもこの記事が参考になれば幸いです。
「MOVE」、臆病な私が自分を奮い立たせる言葉です。
最後に、上記に関連したオススメ書籍を紹介します。
① #シンFIRE論 著:穂高唯希
FIRE(セミリタイア)は目的ではなく、よりよく生きるための手段である。その心得などが記された良書。FIRE達成のノウハウ本ではありません。
② 100歳まで残す 資産「使い切り」実践法 著:野尻哲史
資産形成だけでなく、その先の取り崩しについて具体的に書かれており、年配者はもちろんのこと、若年者もゴール(取り崩し)を見据えることで投資をする意味が明確となり投資行動が加速する、投資人生のバイブル。
③ DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール 著:ビル・パーキンス
ゼロで死ぬのが目標ではなく、人生を豊かにする手段。健康>時間>お金。やりたいこと、やれることには賞味期限がある。アリでもキリギリスでもない新しい生き方の提案書。

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